第6章 鉄のストーブ〜宗教団体の隠された秘密
俺は儀式や集まりがない時は施設内や寮の中をくまなく見て回ることにした。
食堂と図書館の場所は覚えたし共同浴場の場所も覚えた。そして部屋に入って色々と見回す。残念ながらどの部屋も窓は小さいのか格子状の窓で塞がれていて人が入れる大きさの窓はないことがわかった。共同浴場では脱衣所の窓も小さいし、浴室の窓も小さい。これでは逃げられないではないか。そして幹部の動きも観察することにした。
ここでは幹部は3人いる。幹部長のマカロンさんに加えて女性の幹部が1人、男性の幹部が1人で合わせて3人だ。
名前は確か間野絵梨花さんと、富田海斗さんだと聞いた。
富田さんは元ラグビー部所属の体格のいい男の人で間野絵梨花さんは元バレエダンサーだったらしい。見るからにきつそうな2人は教団メンバーを残材に扱っている時が笑みが溢れている。
あんな屈曲な強面の男にビシバシ鍛えられたら溜まったもんじゃない。それに間野絵梨花さんは女性だからと侮れずに容赦ない仕打ちが待ち構えている。俺は散々、彼らの動きを見てそう思った。誰かなんて贔屓しない。みんな平等に雑な使われているのだ。
そして3ヶ月が過ぎようとした時にマカロンさんから声をかけられて俺も幹部の試験を受けさせて頂けることになった。これで合格すれば幹部の仲間入りだが幹部に合格するのは至難の業らしい。俺は幹部になってこの教団の秘密を暴きたいと思った。しかし、教団の秘密を外にばらすことがバレてはいけないのだ。ましてや、脱出したなんて知られたら大変なことになる。教団メンバーも多いんだし人が1人くらい減ってもー?なんて思いすら浮かんでくる。そうだよな、1人くらいいなくてもー。それなら尚更に出ていくとなれば入念な準備が必要となる。