• テキストサイズ

現代版おとぎ話

第6章 鉄のストーブ〜宗教団体の隠された秘密


こうして教団で生活して1週間が過ぎた。1週間と聞くとあっという間に思えるかもしれないが、俺にとっては非常に長い1週間だった。
そしてどっと疲れた。オンライン授業では特殊な授業として教団のメンバーとしての訓練や必要用語などを学ばされる。大学にいた頃はゼミだって自由に選べたけど、ここはそうもいかない。どうしたものか!?

ここの生活は変わっている。教団のメンバーに聞いたら色々と試練があるそうで学校でいう試験だ。それに落ちたら落第したみたいなもの。みんなに見下されるし、恥ずかしい思いもする。こうやって過ごして1ヶ月が経過した。この1ヶ月でわかったことは他にも色々とある。外出はできないということ。足りないものがあれば幹部に報告して買ってきてもらうらしい。ということは監禁も同然だ。

御伽話に例えるなら鉄のストーブってところだろうか?俺は寮の中を行ったり来たりしてどこにどの部屋があるのか全部、把握しようと思った。少しでも逃げ道を知りたかったのだ。それまでに様々なことが起こった。

教団のメンバーが腕を縛られて鞭打ちの刑があったり、松明で髪の毛を少し焼かれたものもいた。こうなるともう、しっちゃかめっちゃかだ。しかし、俺は助けることができずに悔しい日々を送っていた。本当は率先して助けたかった。

でも、今は教団のメンバーに刃向かうことはできず耐えるしかなかったのだ。こうでもしないと自分が助からないし、仮に彼らを助けようとしても彼らもいかれていて言うことを聞いてくれないかもしれない。それにありがた迷惑に思われたらそれこそ俺の方がとばっちりを喰らってしまう。

まずは対策として寮の中や教団の施設を歩いてくまなく観察することから始めた。怪しまれたら場所を覚えておきたいとでも言っておこう。こうして俺の苦肉の策が幕を開けた。
/ 168ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp