第6章 鉄のストーブ〜宗教団体の隠された秘密
「あの、読書のところすみません。」
俺は小声でマカロンさんに話しかけた。
「ああ、坂井君ね。教団の暮らしはどう?ってまだそんなに経ってないから慣れないよね。」
マカロンさんが本から顔を上げて話した。
「唐突にすみませんが幹部に入るにはどうしたらいいですか?」
俺は真剣な表情で言った。
「まぁ、立ってるのもなんだし向かい側に座りなよ。」
「ありがとうございます。」
マカロンさんに言われて俺は向かい側に座った。
「それでなんでけど、幹部になるには厳しい試験をクリアしないとなれないんだ。私も最初から幹部だったわけではないんです。摩邪様に認められたから幹部になれたんですけど最初は普通の教団のメンバーだったんですよ。でも嬉しいです。それだけ教団に興味を持ってくれて。感心感心!!!!」
マカロンさんが嬉しそうに言う。
「そうなんですね。試験はいつ頃受けられるんですか?どんな試験かわかりますか?」
「うーん。坂井さんはまだ入ったばかりだから試験は受けられないですね。試験を受けるには入団して3ヶ月経たないといけない決まりがあるんです。試験はその年によって内容が異なるって聞いたことあるので私には答えかねますね。まぁ、私の頃の事例を話してもいいんですけど予行練習ってよりかは当日に構えてどーんみたいな?あとは日々の邁進や丹念なんかが評価されたりするので真面目に何事も一生懸命に取り組むことかな?」
「はぁ・・・そうですか。」
俺はマカロンさんの答えにモヤモヤした。
「がっかりしないでよ。チャンスは誰にだってあるから。まず3ヶ月はしっかり教団に向き合えてるかどうかのお試し期間って感じ?摩邪様が監視してると思って頑張ってね。ちなみに幹部長はこの私だから試験の合否は私と摩邪様で決めさせていただくわ。合否の基準は教えてあげられないんだけどね。」
「はい。頑張ります。教えてくださってありがとうございます。それでマカロンさんは何故この教団に入ったんですか?」
「あーきっかけってやつ?そうねぇ。摩邪様に声をかけてもらって入ったのよ。あなたはこの教団に向いてるからって。最初は信じられなかったんだけど、この教団に入ってわかったの。前より明るくなったし素直な自分でいられたから。」
マカロンさんはそう言って本を閉じた。
