第6章 波乱の一日
騒然とする廊下では、飯田が麗日や緑谷と協力し、学年を問わず居合わせた生徒たちをまとめた。
飯田の鋭い指示と落ち着いた声が、不安で取り乱していた生徒たちを落ち着かせる。
全員が彼の言葉に耳を傾け、混乱は収束していった。
すぐに校内放送が入ると雄英高校の教師たちは状況を説明し、生徒たちに正確な指示を出した。
教師たちの冷静で的確な対応が不安を和らげ、学校全体が安定を取り戻していく。
「委員長は――やっぱり、飯田くんが良いと思います!」
午後の授業では、学級委員長の二人が話を進行する予定だったが、緑谷の意見により、飯田が委員長の役目を引き受けることになった。
始めは乗り気ではなかった飯田だが、クラスメイトからの支持を受けて自信に満ちた表情で承諾した。
「委員長の指名ならば仕方あるまい!」
「任せたぜ非常口!」
「よっ! 非常口飯田!」
飯田は新しい学級委員長として、午後の授業を進行することになった。
最初はやや消極的だったが、自信を取り戻し、役目を果たす決意を固めていた。
クラスメイトたちは彼のリーダーシップに信頼を寄せ、午後の授業は落ち着いた雰囲気で進行していった。
平和な時間が続く一方で、静かに忍び寄る”悲劇”が待ち受けているとはまだ知る由もなかった。