• テキストサイズ

お友達から始めよう【ヒロアカ】

第6章 波乱の一日



「ランチラッシュの飯は、いつ食っても美味ぇ……」
「わかる。あーあ、俺も委員長やりたかったなー」
「お前、さっきからそればっか言ってんな」


 昼休みの食堂。
 結と切島、上鳴の三人は向かい合って席につき、湯気の立つ定食に箸を進めながら、朝の学級委員長決めの余韻を話題にしていた。
 上鳴は未練がましく唇を尖らせ、不満をテーブル越しにこぼす。
 切島は「せっかく話題変えたのによ」と苦笑し、肩をすくめた。


「切島だって手挙げてたろ? やりたかったんだろー?」
「そりゃあ、男なら誰だってやりてぇはずだぜ、学級委員長……!」
「だよなぁー?」


 切島の拳に宿る熱は、言葉以上に力強かった。
 感化されたように、上鳴はさらに身を乗り出す。


「なあなあ、千歳は誰に票入れたん?」
「票? 秘密」
「秘密ぅ? 俺もこっそり教えるからさぁ!」
「さっき自分に入れたって言ってたけど……」


 その一言に、上鳴は目を丸くしたまま固まり「俺バカかよ!」と自分の頭を抱え込んだ。
 結と切島は顔を見合わせ、くすりと困ったように笑う。
 二人は空のトレーを返却口に収めると、並んで廊下へ出た。
 昼の空気はどこかゆったりと流れていた。


/ 173ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp