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お友達から始めよう【ヒロアカ】

第6章 波乱の一日



「ここまで来れば安心だね! 怪我は……うん! 見た感じ平気そうだ!」
「はい、ありがとうございました……!」
「どういたしまして! 困ってる人を助けるのは当然のことだからね!」


 手を離した青年は礼を受け止めると、親指を自分の胸に向け、自信満々な笑顔を見せた。
 すると、彼の背後から猫背の青年が姿を現し「ミリオ」と呼ばれた男が結に大きく手を振る。
 それじゃあね、と言いながら二人は校舎の中へ消えていった。

 結は彼らの姿を見送りながら、ほっと胸を撫で下ろした。


 教室に辿り着くと、先程の騒動が嘘のようにホームルームが始まった。
 日常のざわめきが戻り、窓から差し込む朝の日差しが机の上に広がっている。

 相澤が冷静な口調で昨日の戦闘訓練について触れ、緑谷と爆豪に注意を促した。
 二人の間に緊張が走るが、相澤はそれを淡々と処理して本題へと話を切り替えた。


「急で悪いが、今日は君らに――学級委員長を決めてもらう」
「学校っぽいの来たー!!」


 その一言が教室に響き渡ると、瞬く間に生徒たちのキラキラとした興奮の声が上がった。
 多くの生徒が腕を挙げ、立候補の意思を示す中、飯田の提案に全員が賛同して投票用紙が配られた。

 暫くして、黒板には集計結果が記され、一人一票の結果が刻まれていく。
 自身に投票した者も少なくないが、緑谷出久と八百万百の二人に票が集まった。

 緑谷が学級委員長に、八百万が副委員長に選ばれると、誰も反論することなく話し合いはあっさりと終了する。
 黒板に刻まれた二人の名前が、その役割の重さを少しずつ感じさせていた。


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