• テキストサイズ

お友達から始めよう【ヒロアカ】

第6章 波乱の一日


 今朝の雄英高校は、いつにも増して喧噪に包まれていた。
 戦闘訓練から数日が経ったある日。
 オールマイトが教師に就任したというニュースが瞬く間に全国に広がると、報道各社が真相を追い求め、雄英高校へ押し寄せた。

 登校時間が近づくと、校門前には記者たちが集まり始め、生徒の進路を塞ぐかのように群がった。
 無遠慮に向けられるマイクやカメラ。
 いつもの朝の静けさは一瞬で奪われてしまった。


「オールマイトの授業、受けましたか!? どんな感じだったのか、少しでも教えてください!」
「え、えっと……」


 結もその波に巻き込まれていた。
 困惑しながらも、断りを入れてこの場を離れようとする。
 しかし、玄関付近はすでに記者と生徒で埋め尽くされ、前に進むことすらできない。
 物腰の柔らかい結が話しやすい相手と見なされたのか、記者たちは次々に寄ってきて、カメラが至近距離で向けられる。


「一言でもいいので、授業の感想を! オールマイトについて、どう思っているのかだけでも!」


 肩が強張り、混乱する頭の中で言葉を探すが、なかなか見つからない。
 答えることができずに黙り込むが、記者たちは退くことなく次々と質問を投げかける。
 逃げ場がなかった。


/ 173ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp