第6章 戦闘訓練
今回の授業は入試時と同じ演習場だが、市街地ではなく屋内での対人戦闘訓練。
敵組とヒーロー組に分かれて二対二の屋内戦を行う。
クラスの人数が二十一人いるため、一組のみ二対三での編成になる。
ヒーロー側は制限時間以内に敵を捕まえるか、アジトに隠された核兵器を回収することで勝利。
敵側は制限時間までに核兵器を守るか、ヒーローを捕まえると勝利。
ペアと対戦相手はくじ引きで決めていく。
続々とペアが成立する中、結は番号が振られた球が入った箱に手を入れる。
最初に触れたものを取り出すと、そこにはHの文字が書かれていた。
「千歳少女は常闇少年とペアだ!」
聞き覚えのない名前に結はきょろきょろと視線を動かす。
程遠い場所で黒いマントに包まれた少年が小さく片手を上げていた。
「えっと、常闇くん?」
「あぁ。よろしく頼む」
「こちらこそ、よろしくね」
常闇は顔が黒鳥のような風貌で全身を黒色で包んでいる。
物静かで口数も少ない様子はなんとなく相澤と似ていた。
全てのペアが出来上がると、次は対戦相手を決めるくじ引きが始まった。
最初の対戦はAがヒーロー側、Dが敵側として戦う。
Aは緑谷と麗日、Dは飯田と爆豪のペアだ。
早速、大波乱の予感がある組み合わせで。
地下に設置されたモニタールームで四人以外の生徒たちはその様子を映像越しに確認していた。