• テキストサイズ

お友達から始めよう【ヒロアカ】

第3章 君の味方に


 彼の瞳の輝きは増していき、分析が次々と繋がっていく。
 言葉の一つ一つが確かな根拠に基づき、意図が明瞭に伝わる。
 そんな中、結は想像していた以上の緑谷の熱量に圧倒されていた。


「やっぱりパワー系の個性かなって思ったけど、競技種目を考えると矛盾が出てくるし、さらに怪我も治せるとなると複数の個性を使えることになるからこれも当てはまらない……そうなると、コピー系の個性ならその種目に合った個性を使うことで乗り越えられるし……これって使える時間は限られていないのかな……そうだと決めつけるにはまだ早いか……他の理由があるのかも……例えば……」


 次第に呟きは早口になり、思考が展開されていく。
 暫くして、満足そうに顔を上げた先には、目を丸くした結の姿があった。

 緑谷の頬から耳の先までじわじわと赤く染まり、彼の自信が一瞬にして内気さに変わる様子が見て取れた。


「あ、引いてるとかじゃなくて、びっくりちゃって」
「おおお驚かせてごめんね!? 個性の話になるとつい語ってしまう癖で、あああ、お恥ずかしい……!」


 結は苦笑しながらも、温かい気持ちで受け入れていた。
 緑谷の不安を和らげるように、優しく言葉を続ける。


「なんとなく緑谷くんらしいというか……止めてごめんね、続けて?」
「大体は話し終わったから、大丈夫……! 改めて考えると、千歳さんの個性はすごいなぁ……! コピー系の個性は――」


 再び微風を生み出す勢いで語り出した緑谷。
 熱意に満ちた話は止まる気配がなく、結は彼の話がどこまで続くのかを静かに見守っていた。


/ 134ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp