第15章 弱さに宿る力
競技場に到着すると、すでに大勢の生徒が集まり、背後には取材陣が無数のカメラを構えていた。
肌を刺すような視線を浴びながら、結は自分の順位が刻まれた一番低い台へ向かい、足を乗せた。
「それではこれより、表彰式に移ります!」
勝者として名を連ねた三人が揃う。
しかし、その場に漂う空気はどこか異様だった。
「ん゛ん゛ー!!!」
一位の爆豪は堂々とした姿ではなく、口枷から声を上げて体を激しく揺らしていた。
鎖が引き絞られる音が止まず、台が揺れる。
二位の轟は感情の読み取りにくい横顔を見せ、結は吐き出せない感情を胸に押し込んでいた。
飯田の事情を説明したミッドナイトの声に合わせ、オールマイトが登場する。
屋根の上から飛び降り、体を回転させて着地する派手な登場だ。
決め台詞はミッドナイトの声に重なったが、オールマイトは気にせずメダルを手に取り、結に歩み寄った。
「おめでとう、千歳少女! 最後の爆豪少年との戦い、実に惜しかった。個性や使い方といい、君にはまだまだ伸び代がある。次も期待しているよ」
「……ありがとうございます、オールマイト」
「んん? あんまり喜んでいないみたいかな?」
太陽の光を浴び、銅色のメダルが結の首元で眩しく輝く。
微かな陰りに気づいたオールマイトは、不思議そうに首を傾げながらも笑みを絶やさない。
大柄な体格とは裏腹に、柔らかな眼差しが結の顔を覗き込む。
「本当なら飯田くんがここにいるべきなのに、私が立っていいのか……わっ」
「そんなことはないよ。飯田少年も強いが、君も勝ち抜ける可能性を十分に持っている。だからこそ、ここに立っているのさ」