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お友達から始めよう【ヒロアカ】

第12章 譲れない戦い


 轟の声が騒音を貫いて耳に届いた。
 周囲の音がかすみ、緊張感が肌にじんわりと広がる中、緑谷は今後の行動を考え始めていた。


「足止めないでね! 仕掛けてくるのは……一組だけじゃない!」


 言葉通り、他の騎馬たちが次々と襲いかかってきた。
 まるで波が押し寄せるかのように、四人は一斉に包囲される感覚に襲われる。

 だが、轟は一切焦ることなく状況を見極め、飯田、八百万、上鳴に的確な指示を出す。
 直後、上鳴が無差別に放電を放ち、近づいてきた騎馬たちを一瞬で遠ざけた。
 静寂を破るような轟音が響き、距離を取らざるを得なくなった。


 残り時間は六分を切った。
 轟は確実に緑谷たちの動きを封じるべく、足元に氷を這わせる。
 冷気が地面を凍らせ、広がっていく。
 徐々に真っ白な氷の世界が広がりつつあった。

 その光景を目にした結は、咄嗟に個性で氷を回避しようと試みた。
 止めるだけでは間に合わないと意識を集中させ、同じく氷の壁を作り出そうとする。
 だが、震える右手では力が満足に発揮できず、心の中に焦りが広がっていく。


「ごめんっ、次防げるか分からない……!」
「強すぎるよ! 逃げ切れへん!」
「牽制する!」


 常闇は黒影を使って応戦しようとするが、上鳴の放電によって弱体化した黒影の攻撃は、八百万が生み出した防御にあっけなく阻まれてしまった。
 四人の動きは冷たい氷の中でますます追い込まれていく。


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