• テキストサイズ

お友達から始めよう【ヒロアカ】

第11章 備えあれば




『ここで先頭が変わったー!! 喜べマスメディア!! お前ら好みの展開だああ!!』


 結は第二関門の綱渡りを無事に越え、最後の障害物「地雷原」にたどり着いた。
 前方には既に爆豪と轟が競り合っており、その後ろにはB組の生徒たちが見えた。

 地雷原は威力こそ低いが、爆発音と派手な見た目で強烈な存在感を放っていた。
 地雷の位置は見えるものの、後続の選手たちが迫る中、慎重に確認する余裕はなかった。


「早い……とにかく追わないと」


 足元の石を拾い、地雷の上に撒く。
 爆発しないのを確認すると、さらに両手いっぱいに石を掴んで走り出した。

 地面が盛り上がっている感触を感じながら、一直線に先頭の二人を追う。
 片手分の石が尽きた頃、後方からは連続する爆音が響き、大きな影が空を横切ったことで結は思わず足を止めた。

 目に映るのは、個性を使わずに地雷原を突破しようとする人物。
 その姿は、個性把握テストの時と同様に特定の人物を思い出させた。


『A組緑谷、爆風で猛追――っつーか、先頭を抜いたああー!!』


 実況の声がさらにスタジアムを盛り上げる。
 巨大仮想敵の装甲に掴まり、空中を駆ける緑谷の姿が映し出された。
 彼は爆豪と轟を追い越し、地雷を装甲で叩きながら巧みに妨害すると、地雷原を素早く突破した。

 結は呆然とし、足が止まっていたが、すぐに気を取り直すと再び走り出した。
 先頭との差は縮まり、B組の二人が間近に迫っていた。


「ありがとう、千歳くん! 君の個性、有難く利用させてもらうよ!」


/ 133ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp