第1章 標的1
「ツナ、パスいったぞ」
((ベチャ
「ぶっあいたー」
「またかよー」
「たのむぜツナ!!」
とある中学校の体育の授業
男子は体育館でバスケをしていた
そんな中「ツナ」と呼ばれる男子は
鈍臭いからなのか運動音痴だからなのか
回ってきたボールに対応しきれず顔に
クリティカルヒットし、更にはその反動で盛大に転んだ
クラスメート達はそれを見て毎度の事なのか
誰も心配せず勝つ事ばかりに拘っていた
が…
「お前のせいで負けたんだからなーっ」
「…ごっごめん」
結局ツナがいるチームは負けたらしく責められていた
「とゆーことでおそーじたのめる??」
「オレ達貴重な放課後は遊びたいから」
「え゛っ」
「んじゃたのんだぜーっ」
「ファイトだダメツナ!!」
「ちょっまってよっ」
ツナのせいで負けたからその罰として
クラスメートは彼1人に掃除を押し付けた
納得のいかないツナは皆を呼び止めようとするが…
「テストは??」
「入学以来全部赤点」
「スポーツは??」
「ダメツナがいるチームはいつも負け」
ギャハハと笑い、事実を
言いながらクラスメートは去って行った
「ヘイヘイどーせオレはバカで運動おんちですよ」
(こんなダメなオレがなぜ学校に来るかといえば
笹川姉妹を見られるから─なんたってかわいくて)
「えー、おかしいかな」
『おかしくないと思うけどなぁ』
「もーこれだからこの子達は」
「(無邪気な笑顔はサイコー!!)」
そう、何故彼がこの学校に来るのか
それは学校一の美少女姉妹を見る事が
出来るからだった
「おまたせ京子」
「あ、持田センパイ」
「!!」
「それじゃ私いくね、2人のジャマしちゃ悪いし」
「もー、花ったら」
『私も行くね、京k「詠羽は一緒にいて」…もう…』
「詠羽も大変ね、こんな姉もって」
『他人事みたいに言わないでよぉ』
体育館の窓から見ていたツナはがっくりと項垂れた
「やっぱ剣道部主将とできてたんだ
もう学校にいる意味ねーなー…帰ろ」
掃除を頼まれていたが目の前で起こった
出来事を考えたらどうでも良くなった
ツナは掃除用具を片付け、体育館を後にした
『あれ、確かあの子…京子と同じクラスの…』
その後ろ姿を彼女に
見られていた事も知らずに───