第1章 標的1
吹っ飛ばされた持田センパイ
周りの生徒たちはそれを見て驚き、
呆然と見てるしかできなかった
勿論、京子も例外ではなかった
吹っ飛ばされた持田センパイに
ツナは飛びかかり馬乗りになる
「マウントポジション!?」
「何をする気だ!!!?」
馬乗りになったツナは右腕を
上に構え振り下ろした
『あれは…』
「手刀だっ」
「面を打つ気だ」
「うおおぉっ」
『っ!!
待って沢田くん!!それは…っ!!』
「ぎゃっ」
「!?」
「…!?」
いち早くツナのやろうとしてた事に
気付いた詠羽はツナを止めようと
声を掛けたが遅かった
ベリッと音が道場に響きわたりしーんとなる
「100本!!!!とったーっ」
『っ!!』
「考えたなツナの奴」
「確かに何を1本とるかは
言ってなかったもんな」
ツナがとった行動…
それは手刀ではなく持田センパイの前髪を
鷲掴んで髪の毛を引っ張る行動だった
死ぬ気タイム中のツナは箍が外れているからか
普段の力以上の力が出る為1本所か
ごっそりと抜け取っていった
『沢田くん…』
「これでどーだぁ!!」
「ひぃっ」
「ちっくしょ〜っ
うおおおおっ」
審判がツナの勝ちを示す赤の旗を
上げないからかツナは更に持田センパイの
髪の毛を引っ張り続けた
そして最後には持田センパイの髪の毛は
全部抜き取られ彼の頭はキランと光る
「全部本」
「赤!!」
『「…」』
「旗が…あがった…」
持田センパイの髪の毛を全部抜き取ったツナは
審判に髪の毛を見せると赤の旗が上がり
ツナが持田センパイに勝った事を示した
「はっ」
『(あ…鎮火した…)』
シュウゥと額の炎が鎮火する瞬間を
詠羽が見た瞬間クラスメートたちが
ツナの周りに一斉に集まった
「スゲェ!!」
「勝ちやがった!!」
「めちゃくちゃだけどいかしてたぜっ」
「なんて奴だ」
「なんかスカッとしちゃった」
「見直したぜ」
次々とツナに言葉を投げるクラスメート
詠羽はその光景を静かに見ていた
「(オレがやったのか…??
オレでも死ぬ気になればセンパイを倒せるんだ…
信じられない…オレがみんなの真ん中にいる)」