第1章 標的1
- 校舎内廊下 -
「(またオレのダメ人生に新たな歴史がきざまれた)
まっでもいーや、どーせ勝てねーもん」
道場をトイレに行きたいと嘘を吐いて
逃げてきたツナは背伸びをしながら独り言ちる
すると不意にツナの足下に紐が巻き付き
そのまま引き摺られ男子トイレに誘われ
そのまま片足だけ吊るされた状態にされた
「ちゃおっス」
「リボーン!!
なんでおまえこんなところにいるんだ!!」
「ツナがマフィアのボスらしく
してるか見張ってたんだ
めんどくせーけど気にすることないぞ
オレとツナの仲だからな」
「何が仲だよ調子のいい
どーせオレはダメな奴さ、ほっといてくれよ!!」
リボーンの言葉に少しイラつき、
突き放す様にツナは言葉を紡いだ
「かんちがいすんな、オレとおまの仲ってのは」
「??」
「殺し屋(ヒットマン)と
標的(ターゲット)の仲ってことだぞ」
「!!」
リボーンはツナの言葉を聞いて勘違いを
している事を指摘し、ツナの額に銃口を向けた
「まっまって!!!!」
「死ね」
───
『あれ…??
こっちに行ったはずなのに、いない…』
一方、道場から忽然と姿を消した
笹川妹、詠羽はツナの後を追っていた
『んー、確かに声はしたんだけどなぁ…』
どうしてもこの前の事が気になっていた詠羽
額に炎を灯していたあの時のツナの事を
『まさか見失うなんて…ん…??』
男子トイレの前を
通り過ぎようとしていた時
その場所から会話が聞こえた気がした
耳を済ました瞬間プシュッと何とも
言えない音が聞こえ、不思議に思った詠羽
『何の音だろ??』
少しの間立ち止まって考えていたら
急に男子トイレが勢い良く開いた
『わわっ!!』
「何が何でも1本取る!!!!」
『さ、沢田くん!?』
「ん??笹川妹…??
ええい、邪魔だ!!今は1本取りに行くんだ!!」
一瞬、詠羽を見て止まったが
叫んで凄い勢いで走り去って行った
『あ、ちょ…っ
…やっぱり、見間違いじゃなかった』
あの時は急過ぎて見間違いかと
思っていた詠羽だが改めて目の前で
見た今、見間違いじゃない事を確認できた
「ちゃおっス」
『君は!!
もしかして君がやったの??』