第15章 正攻法
「ローエン嬢なんかより、私の方が良い身体をしてます。私ならいつでもこの身を差し出しても構いません。」
余計な事を言わないで欲しい。本当に!!
「フェリシア?」
「えっ?」
「何度か、フェリシアの身体を味わったことがあるのだが・・・最近、増々と女性らしい身体付きになって来たな。」
「はい?今、何って?」
「フェリシアが私の前で眠ってしまった事が何度かあっただろう?その時に、何度か味見した。」
「た、例えば?」
「色々とだが・・・そうだな、最近はフェリシアの内ももに私の印を付けたな。」
否定はしちゃダメだ。ダメだ。でも、次にこんな時があれば・・・もう食べられた後とかになってない?
次から、アルの前で寝てしまわないようにしよう。そう決心した私だった。
「あ、アル、早く馬車に行こう?」
「ん?あぁ、そんなに私を舐め回したいのか。分かった、急ごう。」
違う、そう言いたい。でも、言えない。あぁ、馬車に乗ればそれが現実になるのだろうな。
そして、令嬢なのだが。私を先に馬車に乗せ、アルが続いて乗り込んで来た。そこへ当たり前に乗り込もうとした令嬢を、アルは容赦なく突き飛ばした。
ポカンとしている令嬢をその場に残し、アルは直ぐに馬車を走らせた。馬車が走りだして直ぐ。私はアルの膝の上に乗せられた。
期待に満ちた目で、私を見ているアル。仕方ない。私から言った言葉だ。しなやかなアルの首筋に目を向け、ゴクリと喉を鳴らす私。
綺麗な肌だ。うん、私より綺麗な肌をしていると思う。その首筋を、ほんの少しの悪戯心で指先でなぞったら・・・甘い声がアルから聞こえた。
「焦らすな。あぁ、そうだな。胸元を緩めた方がいいか。」
アルの少しだけ見えた胸元は、とても綺麗。あれ?私・・・吸い寄せられる様に、アルの胸元に唇を押し付けていた。
「痕を付けてもいい。」
お許しが出たので、反撃とばかりにチャレンジしてみた。あ、本当に赤くなった。じゃあ、こっちにも・・・。
屋敷に到着した時には、淫らなアルが出来上がっていた。こんなアルを見れば、男女構わずに襲いそうだ。
えっと・・・何か、ごめん。
好奇心が強いばかりに、こんな卑猥なアルを作り上げてしまった。いそいそと胸元を締めて、アルを連れて馬車を降りる。