• テキストサイズ

異世界転生したらゲームの悪役令嬢でした

第13章 フラグってどれだけ立つもの?


「そう言ってくれるとは、凄く嬉しい。」

アルはさっきまでの表情は消え去って、甘さを帯びた目で私を見ている。いつもの様に私の手を握り締め、優しく私の頬を撫でるアル。

「それでこそ、私のフェリシアだ。」

どうやら、お気に召したらしい。

そして、アルは子犬の様にプルプルしている令嬢に見向きもしないまま、私を伴い教室へと向かった。

何か、遣ってしまった感は否めない。でも、あの負の感情もれっきとした私の一部だと認識してしまった。

「アル?」
「何だ?」
「今日は帰ったら、たくさんお勉強しましょうね?」
「えっ?あ、えっと・・・フェリシアと愛を育む時間は・・・。」
「今日はお預け。」

私がこう言えば、アルは反論しない。少し眉間に皺が寄っているが、それでもヤキモチからくるこの私からの選択肢だと分かっているから従ってくれる。

ただ、その反動がさっきの美人に向けられるのだけど。

「アル、今日も格好いいよ。」
「全く・・・フェリシアには敵わないな。」

眉間の皺も無くなり、苦笑いのアル。


教室まで後少し。そんなところで、教室の中から誰かの金切声が聞こえた。何か、フラグが目一杯立ちまくっている感が否めないのですが?

ひょっこりと教室内を覗くと、そこにはイクスとイクスに恋慕しているイアートの姉 マリアがいた。直ぐ傍にはルーエンもいるけれど、頭痛がするのかこめかみを押さえている。

マリアは私たちより三歳年上だった。そして、何やらいつもと違って切羽詰まっている風に感じられる。

「ジークフリード、姉上の思いをそろそろ受け止めてもいいんじゃないか?」
「何故?」
「何故って、姉上はずっとジークフリードを思って来たじゃないか。」
「ならば、イアート。お前がルーエンの傘下に入るという認識でいいんだな?」
「はっ?そんなの嫌に決まってんだろ。」
「そうだろうな、分かってて聞いた。だからこそ、余計に承諾出来ない。我がジークフリード家はルーエンに忠誠を誓っている。お前も貴族の子息なら、その意味が理解出来ない訳じゃないだろ。」
「シェイム、私の為にルーエン様を支持しなさいよ。」

あ、ここで姉弟の喧嘩が勃発。お互いが主張を固辞して、収拾がつかない状況になっている。だが、ここで余計な事を言ったのはシェイムだった。






/ 109ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp