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異世界転生したらゲームの悪役令嬢でした

第12章 ネーフェル王国へ


私たちは直ぐに離れのそれぞれの部屋に案内された。そこで人待ちしていたのは、この国の王子のルーエン=ネーフェル王子だった。

アルはモーリスから預かっていた手紙を、王子に手渡していた。直ぐに目を通しては、クツクツと笑ってから私に目を向けた。

「キミがローエン嬢か。色々と世話になるけれど、宜しく頼むよ。」

お世話になるのは、私たちの方なのでは?

「そして、キミがアルベルト=クライン殿か。」
「アルベルトで構いません。」
「そうか。ならば、私はルーエン。こちらは、イクスで構わない。気軽に接してくれ。いいよな、イクス。」
「私に異論はない。」

この二人の関係も気安い様だ。それにしても、あの手紙には何が書かれているのだろう?やっぱり、ちょっと怖い。

「編入は、来週からにしてある。それまでは、ゆっくり街でも散策してくれ。」
「ありがとうございます。」
「気軽にと言ったのに、他意はない。いいな?良き友人として接してくれて構わない。」
「分かった。だが、フェリシアは目を瞑って欲しい。」
「自身以外の男と、仲良くなって欲しくないと?」

アルは素直に頷いていた。他国の王子相手でも、容赦ない。私は不安気にその様子を見ていたのだけど、王子はモーリスみたいに笑っていた。

「それも手紙通りだな。分かった、そうしよう。ただ、名で呼ぶのは許可しろよ?周りの牽制にもなるからな。」

王子と懇意にしている相手に、変に絡んでくる相手はいない。ただ、あの公爵家のボンボンは別らしいけれど。

この後も、王子とイクスからは要注意人物の説明を受けた。どこにでも、敵・味方で派閥を作るのはあるらしい。

王子にはイクス以外にも、仲間と呼べる人がいるそうだ。編入したら紹介してくれることになった。そして、最後にカミングアウトされた情報は・・・。

「それって、ルーエンをライバル視しているイアート家の子息の姉が、イクスに恋慕していると?」
「あぁ、迷惑な話しだ。年齢のことは兎も角、実の弟がルーエンをライバル視しているのに、どうして自分の思いが叶うと思えるのか疑問でならない。」

うん、何か複雑な関係らしい。自分の思いを成就させたいのなら、実の弟の行動や思想を窘めたりしても良さそうなのに。

「ローエン嬢には、私の婚約者を紹介する。いい子だから、仲良くしてやってくれ。」
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