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異世界転生したらゲームの悪役令嬢でした

第8章 嫌がらせ


「あの・・・誰からそんな話しを聞いたの?」
「う、五月蝿いわね。誰だっていいでしょ。こっちの方が気分が悪いわ。お父様に言いつけてやるんだから。精々、首を洗って待ってなさい。」

捨て台詞を残して去ってしまった。私の質問には答えてはくれなかった。

「アレが、宰相の娘か。」
「そうだ。俺たちの幼馴染みでもあるんだがな。昔っから、メイリーはケヴィンが好きだったんだ。親父さんがゴリ押しして筆頭婚約者候補って言われているけど、実際は何も決まってない状況だ。」
「親父さん、娘には甘い人だからなぁ。でも、どうせアルベルトの親父さんが返り討ちにするだろうよ。」

そう言えば、王城でそれなりに地位のある人だと聞いたことがある。でも、相手は宰相だよ?

「アル・・・大丈夫?」
「何も問題ない。」
「そうだよ、フェリシア嬢。アルベルトの親父さんは、国の経理の取りまとめを担っている人だ。好きで敵に回る人はいない。幾ら宰相でもな。笑顔で経費を削減されるって有名で、国王相手にも容赦ないし。」

後で聞いたけれど、アルは王城に行く事はなかったので王子とは接点はなかったらしい。モーリスとセーランも然り。

何処の世界でも、お金を管理する人って強いよね。

そして、あの令嬢は言った通りに宰相である父親に告げ口したらしい。顔色を変えて、クライン家を怒らせるなと叱責されたらしく宰相からモーリスとセーランに口添えを頼んで来たのだと教えてくれた。

ただ、二人もタダでは動かず、代わりに誰が彼女にそんな噂を吹聴したのか聞き出す様に依頼したそうだ。そして、結論は青髪の攻略者だった。

ローエン嬢が婚約者がいるにも関わらず、殿下に付き纏って困っているのだと聞いたそうだ。青髪の攻略者だとは言っていたけれど、きっとヒロインの入れ知恵だろうとモーリスたちは結論付けていた。一番の信者だものね。

クライン家に返り討ちされた令嬢は、それでも何とかしようとして・・・青髪の攻略者と共倒れにされた。断罪したのは、何と王子だった。挙句の果てには、王子が罰を与える事となり二人は王子の意思で婚約を結ばされることになった。

意中の相手から、別の男との婚約をゴリ押しされ精神を病んだ令嬢は学園をひっそりと辞めて領地で静養していると聞かされた。





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