第7章 思いがけない人との出会い
この日から、私に同性の友人が増えた。同士と言ってもいいくらいだ。そしてこの後、友人二人にもこの話しをしたんだ。思ったよりアッサリと理解してくれて拍子抜けした。
キャサリンとの前世の話しは、いつも以上に楽しい時間だった。アルは相変わらず私にベッタリで、一緒に時間を共有しているけれど。
その後も、キャサリンとは情報交換を続けた。そして、モーリスたちが行った事は、キャサリンの汚名返上だった。濡れ衣は確固たる証拠を手に入れて、オレンジ頭の攻略者に突きつけたらしい。
それでも目が覚めない攻略者は、呪いでも掛けられているかの様にヒロインに思いを募らせていた。カラフル頭は全部で五人。その五人から、キャサリンは目の敵にされていた。各いう私も同じ条件なのだけど。
今日とて、何故かアルの領地に招待されたので二人で頭を突き合わせての話し合い。アルは家の用事でお出掛け中だ。
「ねぇ、キャサリンの方のヒロインの行方は分かっているの?」
「ううん。平民設定だから、貴族に目を付けられたら吹いて飛ぶような命なのよ。残念だけどね。私が気付いた時には、宿屋の娘として存在していたはずのヒロインはいなくなってたわ。噂で聞いたのが、何処かの貴族に粗相をして街から追放されたってことだったわ。」
「そう・・・。今、どうしているのかしらね。」
キャサリンも気になって調べたそうだけど、行方は分からずじまいだったそうだ。一体、その粗相ってどんなことだったのだろう?
「キャサリンは、今後どうしたいの?」
「私?私は、穏やかに暮らしたい。貴族だから、好きな人となんて難しいのかもしれないけど、平和に生きていきたい。それと、困っている人がいたら私が出来る範囲で手助けしたいとは思ってるわ。」
「丸で、キャサリンはヒロインみたいね。それに引き換え、あのヒロインは・・・。逆ハーなんて、そう上手くいかないと思うのだけど。」
一人のヒロインを同じ様に思う攻略者たち。彼らは、本当にそれで幸せなのかな?それと、王子の存在だ。
「そう言えば、王子には年の離れた妹がいたわよね。」
「ええ、いるわ。確か、今年七歳だったと思う。」
「娘が女王とかダメなのかしら?もしくは・・・。」
「婿取り?王族だから、難しいと思う。」
「そうよね。でも、このままいけばあの王子はフェリシアを力づくで手に入れようとすると思う。」