• テキストサイズ

異世界転生したらゲームの悪役令嬢でした

第4章 学園入学


この日からこの六人で行動することになった。皆が気軽で気安く接する事が出来るとのことで、入学早々に仲が深まっていった。

そして、肝心のヒロインの事。ゲーム通りに、どうやら王子と知り合ったらしい。ヒロインは王子を攻略?と思ったのだけど、どうやらあちこちでフワフワしていた。

そう、五人の攻略相手と仲良くなっていった。可愛くて天真爛漫の男爵家の令嬢は、人の懐に入るが上手いらしい。

らしいのだけど・・・これ、何を見せられてるのだろう?どうして、そんな満面の笑顔でアルベルトに話し掛けているのだろう。そして、アルベルトはずっと無言。塩対応もいいところだ。

「アルベルト様?」

控え目に声を掛けた私の声を直ぐに拾ってくれたアルベルトは、さっきまでの塩対応はどこへやら。私に近付いて来ては、直ぐに手を握り締めた。

「話しは終わったのか?」
「は、はい。」
「ならば、直ぐに行こう。今日は街に出掛ける予定だからな。」

私の荷物を持って待っていてくれたので、手を差し伸べると気にするなと言ってくれたのでお願いすることにした。

「街に行くのですか?だったら、ご一緒していいですか?」

えっ、何言ってんだろこのヒロイン。つい、そうつい悪役令嬢の顔が・・・と思ったのだけど、それ以上に怖い顔をしていたのはアルベルトだった。

「命が惜しければ、私たちに関わって来るな。」

氷も更に凍りそうな目を向ければ、引き攣った顔をしたヒロイン。一般的に可愛いと称されるヒロイン相手にさえ、アルベルトに例外はなかった。

そんなアルベルトに惚れ直していると、柔らかい目を向けられた。あぁ、この綺麗な瞳でずっと見詰められたい。そう思ってしまう辺り、私も大概だろう。

ヒロインとのことは直ぐに頭から離れては、アルベルトと街散策デートを楽しんだ。よく利用するお店に行けば、相変わらず仲がいいと冷やかされた。今はそれすらも嬉しいと思う。

デート帰りの馬車の中。アルベルトからの執着を味わっていたのだけど、気になったので尋ねた。

「あの人と、何を話していたの?」
「あの人と言うのは、トーマス嬢のことか?何も私は言葉を発していない。必要がないからな。」

分かりやすい拒否の仕方である。ヒロイン相手にも容赦ない。でも、不安は拭えない。だって、相手はヒロインだから。

/ 109ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp