禪院直哉に溺愛されてるのですが助けてください!✿R18✿
第2章 第二話✿出会い:馴れ初め
視界が歪む。
口の端をきゅっと引き締めてるつもりなのに、震えてくる。
熱い涙が目尻から込み上げ出来て、気が付けばポタリポタリとの上に小さな水溜まりを作った。
(こんなの、···あんまりだ)
こんな奴の前で、泣きたく無いのに、悔しくて悲しくて苛立たしくて、勝手に涙が溢れて来る。
「!···、な、泣いとるんか?」
今まで女の事など虫けら同然にあしらって来た直哉が、女に対して初めて動揺を見せた。
初めて女に対して泣かせてしまった事への罪悪感。
──プツン。
はキレた。
「っ、あったり前でしょ!?こんな事勝手にされて自分の人生めちゃくちゃにされて舞妓まで辞めさせられて!!オマケに最後はアンタの嫁になれだぁ!?ふっざけんじゃないわよ!!」
「···お、おいっ!?」
(ちょお待て!微力ながらに呪力の気配が)
「···」
はよろぉ···と立ち上がり、ひた、ひたっと直哉に近づいた。
に呪力がある事に驚き、呆気に取られている間には拳をギュッと握り締めて、直哉に殴りかかった。
「お、おい!!ちょお待てや!」
「待たない!」
が何も知らないその技を、直哉に向かって拳を向けた。