• テキストサイズ

禪院直哉に溺愛されてるのですが助けてください!✿R18✿

第2章 第二話✿出会い:馴れ初め



「それにしても、よう化けたもんやなぁ?女は怖いわ」


直哉はの顎を掴んで、自分の方へと向けた。


すかさずパシッと直哉の手をはらった。


「っ、触らないで!」


「口調、そっちが素なん?」


「···」


「お、黙ってしもた」


楽しそうにニヤニヤ笑いながら、からかうようだ。


「そういや、屋形のお母さんから伝言や。体には気ぃつけて、お気張りやす、と」


「··!!それって」


舞妓を辞めると言う事だ。


心臓が嫌な音を立てて、どくどくと脈打つ。


「私、いくらだったんですか?」


「君が一生働いても払えない、大金や」


布団をギュッと握って、唇を噛んだ。


「そないに噛んだら、唇が切れるで」


「卑怯です!!」


(ここで私が逃げ出しても、両親に借金が回るだけだ)


逃げられないし、お金も用意出来ない。


「何とでも言いなや。俺はアンタを見逃したりはせぇへんし、下手な気ぃ起こしたら閉じ込めるさかい、そのつもりでな」


「···、」


「家ん中なら移動自由やから、好きにせぇ。せやせや、大事な事忘れとった。本名、なんて言うん?自分」


教える気などさらさらないし、話したくもない。


ぐちゃぐちゃに澱んだ感情が、溢れ出す。

/ 44ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp