禪院直哉に溺愛されてるのですが助けてください!✿R18✿
第2章 第二話✿出会い:馴れ初め
(何、言ってはりますの?)
直哉の言葉に千華は頭から冷水を被ったような感覚と、身の危険を感じて後ずさるが、背後にいた女中に肩を掴まれて逃げ場を無くしてしまう。
「後で俺の部屋に連れて来い」
「かしこまりました」
「ちょお待って!何なんやアンタ!」
「そう言や名乗っておらへんったなぁ。俺は禪院直哉や。ここの家の跡取り息子っちゅう話や」
禪院直哉。
ここの屋敷の跡取り息子、と言う事は。
「嫌や!アンタの嫁にはならへん!そないに立派な屋敷の跡取りなら、選び放題やろ。なんでうちなん!?」
「そんなんどーでもええやろ。お前、少しうるさいねん」
「!!···」
トンっと直哉は千華の額に指をつくと、千華は呆気なく意識を失い床に崩れ落ちる寸前、直哉に抱き留められた。
「直哉様、いかがされましょう?」
「さっき俺に言われた通りにすればええねん」
「承知しました。直哉様」
『なんでうちやねん!』
腕の中で眠る千華を見ながら、そんなのは自分でもわからない直哉だった。
それが後々、初恋と気がつくのはまだ先の話し。