禪院直哉に溺愛されてるのですが助けてください!✿R18✿
第2章 第二話✿出会い:馴れ初め
直哉の心が決まれば、それは早かった。
千華の手を引き、宴会場を後にして縁側の廊下で千華の手を引っ張るようにして歩く直哉。
足が何度かほつれて転びそうになりつつ、小走りに付いて行く。
(なんやなんやなんや、···なんなんこの人!うちが転びそうになってるっちゅーのに、振り向きもせーへん!)
だんだん苛立って来た千華は、いきなり直哉の腕を振り切った。
「何しとんねん!」
バッ!と直哉は千華に振り返り怒鳴りつけた。
「それはうちの台詞やわ。こないにいけ好かん旦那様とは話とうもございまへん。うちは帰らせてもらいます」
千華は先程の雰囲気とはうってかわり、真っ直ぐに直哉を見据えた。
「ハッ、それを俺が許す思てんか?ここは俺の家やで。それにさっき言ったやろ。お前は俺の嫁になるんや」
「お断りします。うちはアンタの嫁にはならへん」
「強情な女やなぁ。それにそのけったいな(へたっくそ)な関西弁どうにかしなや。お国言葉でしゃべれや。自分、関西の人間やないやろ?」
「···!」
千華はヒクッと、体を強ばらせた。
「なんや、図星か」
「そないな事どうでもえぇねん。うちは帰らせてもらいっ、きゃあっ!」
直哉は舞妓姿の千華を軽々と横抱きにした。