禪院直哉に溺愛されてるのですが助けてください!✿R18✿
第2章 第二話✿出会い:馴れ初め
(痛い痛い痛い!!うち、何か粗相してしもたんか?しかもめっちゃ睨んで来よるし)
千華は、内心めちゃくちゃ動揺していた。
顔に出さないのは舞妓としてのプライドだった。
『舞妓ちゃんは、どんな時もしゃんとしてなあきへんえ』
舞妓として、店出しが許された時にお母さんから貰った事言葉だ。
舞妓になると言う事の、覚悟。
「よく顔見せて見ぃ」
直哉は千華の顎を持ち上げ、じっと見つめる事数秒。
「決めたわ」
深い笑みを浮かべた直哉。
───ザワッ。
いきなり周りがザワついて、千華は嫌な予感が胸を過ぎる。
「コイツを俺の嫁にする」
「っ!?」
(何、言ってはりますの···?)
千華の顔に、明らかな動揺の色が滲んだ。
(これはまずい事になりおした···)
中学を卒業して舞妓の道に進み早3年、今までお客さんに恵まれていて、こんな事は1度たりともなかったというのに。