第6章 何度でも好きという
——相変わらずだな。
こんなに手応えがないとは。
光秀は自虐気味に笑った。
「全く…お前は」
いつもの俺のやり方では通用しない。
だから、優しくしたら、余計に混乱しているようだ。
「……さて、どうしたものか」
目が合ったとき、あの娘はほんの一瞬だけ息を止める。
…わかりやすい。
「会えて嬉しい」と言えば、頬が淡く染まる。
だが次の瞬間には、どこか暗い表情になる。
——信じていないのだな。
あれは、己を守る引き方だ。
好きだと言えば終わるのはわかっている。
言わぬのは、わざとだ。
言えば、お前は安心するのだろうな。
だが、安心させてしまえば
不安と一緒に消えるのだろう。
この、俺を見る時の、あの必死な瞳が。
「軽口、か」
くく、と喉で笑う。
軽いわけがあるか。
お前に言う一言のために、どれほど選んでいると思う?
だが——
「本当に好きだったら、軽々しく言わない」
そう思っているのも、きっとお前だろうな。
……なんとも面倒で、愛おしい。