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イケメン戦国《私だけを囲うひと》

第5章 宴のあと



行灯の火は小さくなっている。
静かな夜。

乱れた呼吸が、やっと落ち着いた頃。
私は、光秀さんの腕の中にいた。
逃げ場のないように抱かれているのに、
不思議と安心する。

指先が、私の背中をゆっくりと撫でる。

…優しい。
あんなに熱を帯びていた人と、同じ指先とは思えない。

「……どうした」

低い声で問われ、彼の胸に頬を寄せた。

「……宴のとき」

一瞬、腕が止まる。

「光秀さんの周りに、女の人がたくさんいましたよね」

沈黙。

「それで……嫌になって、嫉妬しました」

はっきりとそう言った。
今は、隠せない。
何も隠したくはない。

しばらく何も言わなかった光秀さんが、
ふ、と息を吐いて笑った。

「だから、あんなに飲んだのか」

「……はい」
 
その瞬間。
ぎゅ、と腕の力が強まった。

「愚かだな」

低く囁いた声は、ひどく甘い。

「嫉妬などせずとも、お前のものだ」

胸が跳ねる。
でも私は、首を振った。

「違います」

光秀さんの胸に指で小さく線を描く。

「私は、光秀さんのものですけど」

私は、少し顔を上げた。

「光秀さんは、みんなのものみたいに見えます」

その言葉に、はっきりと空気が変わった。
私を抱く腕の力が、強くなる。

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