第1章 五条悟と夏油姉弟①
休日、予定通り四人で例のカフェに行った。
雑誌に載っていたフルーツとホイップクリームがたっぷりのパンケーキを五条が、ティラミス仕立てのパンケーキをが注文する。
「、雑誌に載ってたやつじゃなくていいの?」
「うん。ティラミスのなら甘さ控えめそうだから、硝子さんも食べられるかなって」
「そっか、ありがとね。…でも、あれ食べたかったんじゃない?」
「それなら大丈夫だよ。お店並びながらメニュー見てる時に悟くんに話したら、それぞれ頼んでシェアすればいいって言ってくれたの」
「ふーん…優しいじゃん」
の隣に座る五条にそう言うと「別に…このくらいフツーだろ」とそっぽ向いた。
そういえば珍しい席順だと思っていた。
二人掛けのソファが向かい合う四人席で、窓際に私と、いつもであれば夏油がの隣を当たり前のように陣取って、私の隣は五条が座るのだが。
今回はの隣に五条、私の隣に夏油が座っている。
それぞれが席に着く前に夏油が五条に何かを言われて「…は?」と睨んでいたが、その後は大人しくこの席順で座っていた。
それぞれのパンケーキをシェアするなら横並びで隣同士のほうがやりやすい。
その理由に夏油も納得して、の隣を譲ったのだろう。