第1章 五条悟と夏油姉弟①
はというと、五条が割り込んできてからずっと蚊帳の外になってる状況に気分を害するわけではなく、むしろ自分の方が邪魔者になってると思っていそうで、今にも遠慮して退席しそうな雰囲気だった。
…あれじゃが可哀想だし、援護してやるか。
「何の話してんの?」
五条と挟み込むように私はの空いてる方の隣を陣取った。
「今度の休みにどこか出掛けようって話をしててね。これを見てたんだよ」
夏油がそう言いながら、五条の目の前に広がっている東京観光の雑誌を指差した。
「“東京のおすすめスポット”…よく見えないな。、もうちょっとそっちに詰めてくれる?」
「あっ、うん。ごめん悟くん、ちょっと詰めるね」
「ぉ、おう…」
私のお願いには素直に五条の方へ詰めてくれて、五条はぶっきらぼうな返事をしながらもと肩が触れ合うほど近くなり、顔を赤くしてドギマギしている。
ホントにわっかりやすー…
夏油も五条の反応に気づいているようで密かに笑いを堪えている。
「このカフェなんて、好きそうじゃん?」
「そうなの。このパンケーキ美味しそうで…あ、でも硝子さんは甘い物あんまりだったよね?」
「コーヒーも評判だって書いてあるから、私もこのカフェは気になるよ」
「甘い物なら悟も食べたいんじゃない?ねぇ、悟?」
「まぁ…美味そうだし、いいんじゃねーの」
「じゃあ、今度の休みは四人でこのカフェに行くとしようか」