第1章 本編
鳳えむが、花海陽菜に、会話をしてきたのだった。
「あっ、陽菜ちゃん!おはよー!」
と、えむは、軽くジャンプをして、陽菜に、挨拶した。
「えむちゃん…おはよう」
小さく口を動かして、少しずつとはいえ、
陽菜も、会話することが、増えてきた気がすると、
思うようになった。
「陽菜ちゃんは、何しているの―?」
えむが、スマホを覗いてみると、
そこには、プログラミングの数式が、
スマホの中に、ぎっしりと、数式が書かれていた。
「三項演算子…実行時コンパイラ…
作ったプログラミング…動かしている…」
二人の会話には、えむには、よくわからないような
ワードが飛び交った。
「プログラミング…って、なんか、すごい!
わんだほーい!だよ!」
「そう…かな?」
「うんっ!だって、陽菜ちゃん、
プログラミング?が、出来るんだよ!
それって、凄いことなんだよ!
わんだほーいだよ!」
「うん…ありがとう…えっと…えむちゃん」
「どうかしたの?」
「デートに行きたい」
「えっ?」
「ごめん…迷惑だったかな?」
「ううん!嬉しいよ!じゃあ、放課後、行ってみよー!」
「うん…ありがとう…えむちゃん」
「陽菜ちゃんは、楽しみ?」
「うん、すっごく、楽しみ、えむちゃん…」
「なぁに?陽菜ちゃん?」
そして、陽菜がえむの顔を合わせると、
陽菜は、小さく笑った。
天使のような笑顔を見せた、陽菜の笑顔に、
えむは、思わず、癒されるのだった。
「陽菜ちゃんの笑顔…天使みたい!」
「?」
と、陽菜は首傾げた。
そして、見とれていた、えむは近づいて、
陽菜にこう言った。
「陽菜ちゃんは、自分らしさを、大切にしてね!
そんな、陽菜ちゃんが、私、大好きだから!」
会話をすることが、得意ではない、
陽菜に、精一杯の気持ちを、えむは伝えるのだった。
「…!」
プログラミングやインターネットの事は、
何にも、詳しくない、えむだが、
大好きな陽菜の隣にいるだけで、幸せを感じるのだった。
「陽菜ちゃん!大好きだよ!」
そして、誰もいない所で、えむは陽菜に抱き着いた。
ぎゅっと、力いっぱい、抱き着くのだった。
「ずっと…いようね…」
「うんっ!」
そう言って、笑った、笑顔は、
とても、キラキラしていたのだった。