第2章 大好き!(イルミ)
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「シンシアちゃーん!お疲れ、上がっていいよ!」
『はーい、お先に失礼します!お疲れ様でしたー!』
急いで着替えなくちゃ!
うーわ、何だこの服!センスなさすぎでしょ私!
ってそんなことよりイルミさん待ってるから早くしなくちゃ!
『お、お待たせしました!』
「お疲れ。で、どこ行くの?」
『え……』
浮かれすぎてなんにも考えてなかった!!!
『と、とりあえず出ましょうか!』
てくてく…
誘ったのはいいものの…何を話せばいいの!?
「シンシア」
『はいっ!?』
「今は静かだね。どうしたの?」
『そっそうですか?全然元気ですよ!』
「そ、ならいいけど。気を遣わせたみたいだね」
『そんなこと…っ』
「…ありがと、シンシア」
あ、今少し笑った、かな。
初めて見るよ、イルミさんのこんな優しい顔。
よかった、誘ってみて。迷惑じゃなかったみたい。
「そこにいるのはシンシアじゃないか?と、イルミ?」
『クロロさん!』
「珍しい組み合わせだな。デートか?」
『ちっちが「そうだよ。だから邪魔しないでくれる?」…!?イルミさん!?』
「ふっ…まぁそう睨むな、イルミ」
「シンシア、クロロと知り合い?」
『知り合いっていうかクロロさんもバイト先のカフェによくきてくれる常連さんなんです。』
「へぇ…」
「イルミもだったとはな」
「…どういう意味?クロロ」
「いや、何でもない」
んん?なにやら意味深な会話だな。話が全く見えない!
『イルミさんはクロロさんとお知り合い?あ、お友だちですか?』
「違う、知らないよこんなやつ。行こう、シンシア」
『えっ?えっ?イルミさん??』
「シンシア、また店に行くからな」
『あ、はい!お待ちしてます…!』
イルミさんが私の手を引っ張っていっても営業スマイルは忘れない!