第2章 大好き!(イルミ)
早くその場から離れたかった。元気なフリをしてないと今にも涙がこぼれてきそうで。
バレちゃだめだ。
この気持ちだけは。
でも、これ以上2人の姿を見るのは辛くて。
用意したドリンクを他のバイトの子に頼んで早退させてもらった。
人生最大の失恋、は言い過ぎかな。
でもそのくらいイルミさんのことが大好きで。
諦めようとしても、カフェで会うたびに気持ちは勝手に膨らんでいくだけ。
好きで、好きで。どうしようもないくらい大好きで。
諦められない…
ううん、諦めたくない。
もう少しイルミさんのこと好きでいてもバチは当たらないよね…
そう思ったらなんだかすっきりして、イルミさんとティアさんを見ても辛くなくなった。
──ある日…
『イルミさん!いらっしゃいませ!』
「や、シンシアは今日も元気だね」
『えへへ…いつもの席空いてますからどうぞ!』
いつもの窓際の席へご案内。
…あれ?今日はイルミさん1人?
『イルミさん、ティアさんは?』
「ああ、ティアとは別れたよ」
『え!?な、なんでですか?』
「好きな人ができたって」
『そ、うなんですね…大丈夫ですか?』
「何が?」
『いえ、あの…落ち込んでるかな、と思いまして。』
「…別に」
無 表 情 !
悲しいとかつらいとかわかりづらいよイルミさん!
…少しはつらいよね?あんなに仲良しだったし。
よし!
『あのっ!今日お時間ありますか?』
「うん、あるけど」
『今日早く上がれるので、どっ、こか行きませんか?』
また声裏返った!もう私の声帯の馬鹿!!
「いいよ」
あらあっさり!
『ほんとですか!じ、じじじゃあここで待っててください!』
「うん、わかった」
や…やった!なんかわかんないけどOKもらった!
あーもう早く帰りたい!でも緊張するから帰りたくない!