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【H×H】恋のかたち【短編】

第4章 愛と情は紙一重(イルミ)★





想定外のことばかりがシンシアに起こり、少しばかりパニックになる。が、そこはプロ。すぐに気持ちを立て直した。



『この度はご予約ありがとうございます。えーと…まずお名前をお聞きしても?』

「イルミ」

『イルミ様ですね!今日はフリーコースということで承っておりますが間違いないでしょうか?』

「うん」



…無口な人なのかな?表情もあまり変わらないし。
まぁいいや、そういう人もいるよね。


『イルミ様のご希望があれば伺いますが、本日はどのようになさいますか?』

「…んーとりあえず、その“様“っていうのやめてくれる?堅苦しいし。あとそのしゃべり方も」

(しゃべり方?敬語のことかな?)
『えっと、では何とお呼びしましょう?』

「イルミでいい。敬語もなし」

『わかった、イルミ。よろしくね?』

「うん。早速だけど風呂に入りたい。一緒に入ろ?」




…いやぁぁぁぁぁ!!かわいいかわいい!首傾げておねだり!?何ですかこの人!かわいい!!!



『うん、いいよ!』



シンシアの脳内は発狂寸前だったが、冷静を装ってそう返事をした。
イルミに手を引かれて脱衣所に入ると、そこもまたとてつもなく広かった。


「シンシア、脱がせてあげるね」

そういってシンシアの服に手をかけ脱がせていく。
イルミの真ん丸な猫目が瞬きもせずにじっとシンシアを見ている。


(すっごい見られてる…きれいなお顔に見られてると思うとちょっと恥ずかしくなってくるな…)


ガラにもなく少し頬を染めて大人しく脱がされていると、イルミの顔が近づいてきて、ちゅ、と軽い口付けをされた。



『!?』

「…よし、入ろっか」



いつの間にか自分の服も脱いでいたイルミは先に浴室へと入っていく。シンシアはさっきよりもさらに顔を赤くして大人しくイルミの後ろについていった。

シャワーで身体を流してイルミが浴槽に入ると両腕を延ばして、


「ん、おいで」



と呼ばれる。たったそれだけの仕草なのに彼の色香にあてられてシンシアはすでに逆上せそうになっていた。

仕事の影響で異性に裸を見られても羞恥心などないはずなのに、彼に見られるのはなぜかとても落ち着かない。
時には演技で恥じらうこともあるが、今のシンシアは素で羞恥を感じていた。




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