第2章 綻ぶ蕾
落ち着きを取り戻した林田は、桐山の隣に腰を降ろした。
「正直、口を聞いたのは今日が初めてかも」
お弁当を食べながらが思い返す。
「まだ、編入して日が浅いですから…」
うつむいて呟く桐山を、と林田が両脇からじっと見つめる。
「いやー…休み多いし、昼は姿消すし…話す機会が…」
「ごもっともです…」
身を縮めていた桐山が、さらに小さくなる。
「…お前、容赦ねぇな…」
「えー事実ですし!」
「すみません…」
「いやいや!謝る必要ないって!」
消えそうな桐山に、慌てて弁解する。
「嫌いだから口聞かないわけじゃないんだし、ね?」
「…はい…」
蒸発寸前の桐山を見て、林田は顔を背けて鼻で笑った。
「、とどめ刺してどーすんだよ」
「そんなつもりは…誤解されても困ると思って…ごめんね?」
「…いえ…大丈夫です…」
桐山は涙目で、声も霞んでいた。