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【三月のライオン】瀬音

第1章 ~プロローグ~


人気の少ない公園内で、水辺の散策路を手をつないで歩く二人。
「零君、この前の対局どうだった?」
「勝ったよ。のおかげでね」
優しく笑いかける桐山に、不思議そうな顔をする。
「私のおかげ?なんで?」
「前日にやった、との研究がね」
「へー…」
意外だとばかりに虚空を仰ぐの手をぎゅっと握り立ち止まる桐山。
手を引かれたは、ゆっくりと振り返る。
「本当に、すごく感謝してる」
真剣な眼差しかと思えば、不意に瞳を細めて笑う桐山に頬を染める。
「零…」
風が通り過ぎ、水面に波紋が浮かび上がる。
「出会ってから、結構経ったね」
舞い上がる髪を押さえて、水面を見つめる。
「そうだね」
桐山もまた、水面を見つめて当時を思い返した。
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