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【三月のライオン】瀬音

第3章 エピローグ


「懐かしいなー。あの時の零、意外と冷静だし」
「いえ…かなり緊張してましたよ」
ベンチに座った二人は、お互いを見て笑い合う。
「林田先生に感謝…かな」
は膝の上で両手の指を絡めながら、空を見上げる。
「屋上に呼び出されたこと?」
桐山は、の横顔をじっと見つめる。
「それもあるけど…ホントは、編入して来た時から気になってた」
「え…?」
照れくさそうにそっぽ向く。
「えぇー?!」
「大人っぽくて、落ち着いてて…なんかこう…」
「それ、みんなより年上でぼっちだからですよ…」
桐山は膝を抱えて涙目で遠くを見つめる。
「ごめんごめん、そういう意味じゃなくて」
は弁解しつつ、桐山の手を取り顔を覗き込む。
すると、手を握り返した桐山は、不意にに近づき唇を重ねた。
「え…」
「俺も、編入したその日に気になってたんだ」
至近距離でも、落ち着いた笑顔を見せる桐山。
「あの日、最初に目が合ったのがだったんだ」
「…うん…覚えてる」
「俺の、大切な人になってくれて、ありがとう」
桐山はの髪をひと撫ですると、そのまま抱き寄せた。



~終わり~

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