第2章 想い出 / 七海 建人
そしてその数日後。
任務で同行していた花咲さんの親友が亡くなり、花咲さん自身も負傷したらしい。
、、、、まるで昔灰原を亡くした時の自分そっくりだ。
彼女は既に治療は終わっているものの、親友を亡くしたショックから部屋に閉じこもっているらしい。
こんこん
『、、、、、、、、、、。』
「、、、、花咲さん。七海です。」
『、、、、、、、、、、はい。』
「、、大丈夫ですか。少しお話したいのですが。」
扉を開けてくれた花咲さんは泣いた後だったのか目は充血し衰弱しとても痩せてしまっていた。
「、、、、痩せましたね。」
『食欲なくて、、今日は眼鏡してないんですね、、、。』
「、、、、任務じゃないので、、それより大丈夫ですか。」
『、、、、っ。中で話しませんか、、。』
そう言う花咲さんの声は震えていて、今にも泣きそうなのを我慢しているんだろう。
部屋に入ると綺麗に整頓されていたが、どこか殺風景な印象だった。
ベッドを背もたれにして2人でそこに並んで座り、触れられたくは無いだろうが少しでも抱えてるものを吐き出して欲しくて、任務の話に触れた。
「、、、辛かったですね。」
『、、はい、、っ。あの、っ、、わ、私、、っ。の目の前で、、っ。、、、』
「、、、、そうですか、、。泣きたい時は泣いてください。胸なら貸します。」
『、、ありがとう、、ございます、、っ。』
そう言って花咲さんは涙で溢れた顔を私の胸に押し付け声を上げて子供のように泣いた。
しばらく泣いて涙も枯れ、花咲さんが顔を上げる。
『、、、、七海さん。』
「はい。」
『あの、、やっぱり、私の事抱いてくれませんか。』
「、、、、どうしてですか?」
『辛いことを忘れたい、、のと、私に何かあった時に後悔したくないから、、です。』
「、、、、、、。」
『、、やっぱり、、無理ですよね。忘れてください、、。』
「、、いいですよ。」
『、、、、え?』
「ですから、、貴女を抱きます。でも、条件があります。」
『、、なんでしょうか。』
「私は花咲さんが好きです。なので死ぬ時に後悔したくないという理由で貴女を抱きたくない。今は辛くても生きていて欲しいから。」