第2章 想い出 / 七海 建人
そのまま彼らを押し退け彼女を攫っていく。
後ろで ちっ と舌打ちする音が聞こえた。
『七海さん、、ありがとうございました。』
「いえ、ああいう輩には気をつけてください。」
『はい、、気をつけます、、。』
「ただでさえ貴女は目立つんですから。では。」
そう言って手を離し離れていこうとすると、花咲さんが今度は私の手を掴む。
『、、七海さん!』
「何でしょう。」
『あの、今度ご飯とかどうですか、、?』
先程、忙しいと断っていたのに私をご飯に誘ってくる光景が可笑しくて ふっ と笑ってしまった。
『、、!七海さん笑ったの初めて見ました、、』
「私だって笑いますよ。貴女とのご飯ならいつでも歓迎です。」
『っ!ほんとですか!』
子供のように明るい顔をした花咲さんが可愛くてまた少し笑ってしまった。
じゃあ今度ご飯の日程決めましょうね!と言ってぱたぱたと走ってく花咲さんを見送って、先程の輩達の方に向かう。
「さっき七海さん来なかったら、わんちゃん凛さん拉致ってヤれたよな?」
「まあ、お前の術式あれば余裕だろ。てか、結構自然なタイミングで話に混ざれたし俺俳優になれっかも!」
「いやいや、無理だろ〜!」
「え、あっ! な、七海さん、、!」
「、、、貴方の術式は確か、誘惑の術式でしたよね?」
「あ、はい、、」
「それなら確かに、そういう事も出来るかもしれないですね。」
「!、、ですよね!七海さんも凛さん狙いですか?」
「、、、、まあ、そうですね。」
「おぉ!じゃあ今度ぜひ作戦に参加してもらえたら!」
「凛さん七海さんには懐いてる、、っ!?」
片方の男を思いっきり殴り飛ばし、もう片方の男を床にねじ伏せる。
「次、手出そうとしたら殺しますよ」
恐怖の表情で こくこく と男は頷き、殴り飛ばされた男は気絶していた。
2人に背を向け歩き出しながら
「貴方達は呪術師を辞める事をおすすめします。」
そう言い残し、事の全貌を報告しに動いた。
後にその2人は呪術師資格を剥奪になったらしい。