第1章 はじまり
「どれにした?」
「えっと、鮭茶漬けにしようと思います。」
「ん、いいね。」
「カカシさんは?」
「オレは秋刀魚の塩焼き定食」
「えっ、それ美味しそう。」
「美味しいよ。オレのおすすめ。ここで食べる秋刀魚の塩焼きは秋じゃなくても、どの季節でも美味しいんだよね」
「そうなんですね。えぇ、どうしよう。なんだか気になっちゃった。私も真似していいですか?」
「ははっ、そりゃ勿論。じゃあ店員さん呼ぶね」
テンポよく進む会話にオレはどこか安心を覚える
軽く手を挙げるとすぐに店員さんが席へ来た
「えっと、私と彼、どちらもこの秋刀魚の塩焼き定食で…」
「飲み物どうしますか?温かいお茶と、お水もあります」
店員さんがそういうとはそっとこちらに目線を向ける
「オレは冷たいお水で。は?」
「わ、私は温かいお水で!」
(…ん?)
オレと店員さんが数秒固まる
「えっと…白湯…でよろしいでしょうか?」
「えっ?……あっ!ま、間違えました!温かいお茶で…。申し訳ないです…。」
あたふたした後に頬を赤くしながら下を向くは正直とても可愛かった
店員さんが戻ると声をかける
「温かいお水って…」
「や、やめてください…あぁ、もう、初対面の時といい恥ずかしい所ばかり見られて…
穴があったら入りたいってこういう感じなんですね。お恥ずかしい所を見せてしまいました。」
「ははっ、いや、そのままでいいよ。」
「私が嫌です!」
彼女は先程まで複雑な表情が嘘のように恥ずかしがったり怒ったり、表情をコロコロと変えていた