第3章 二人の任務
「立てる?」
「…うん。立てるよ。ありがとう」
引っ張ってもらいながら立ち、スカートについた砂をはらう
待ち合わせ場所の周りにはまたちらほらと人が集まり
ぴくりとも動かずに倒れている男性にしゃがんでいた私たちが気になるのかちらちらと視線を感じた
(やっぱり目立っちゃってたかな…カカシは有名な忍だし、申し訳なかったな…)
「、こっち向いて」
「うん?」
カカシの方を向くと顎をそっと上げられる
カカシが少し背中を丸め前屈みになる
「もうオレ以外に触られるのもついていくのも禁止な。今日はオレの彼女だから。」
そういうとカカシは私の唇にマスク越しで唇を重ねる
「…ぇ」
(い、いくらなんでも、任務とはいえやりすぎだよ!!!?!?)
初めてのキスがはたけカカシなんて
そんなことがあっていいのだろうか
うるさいほど心臓がバクバクとなり続ける
「えっ…ちょ…か、カカシ…」
「マスク越しだから、許して。もう本当に嫌だったから。みんなに見せつけたの」
「に、任務なんだよね?!こ、こんなことされたら私免疫ないから…!ドキドキ止まらないし、もうちょっとだけ軽くしてもらえると…」
周りからの視線は先ほどよりも強く感じる
(めっちゃ見られてるー!!!!)
「はたけさんってあの方と付き合ってたの?噂ではかなり冷酷な方って…」
「大胆…!見てるこっちがドキドキしちゃった!」
「わかる…あの一緒にいる子もすごく照れてるのなんか可愛い〜」
ヒソヒソと話す声がダイレクトに聞こえてくる
(やっぱりカカシだってバレてるし!全部聞こえてるし…!!!)
恥ずかしさが限界を超えた私はカカシの手を取りその場からそそくさと離れた