第1章 はじまり
「本当には暗部っぽくないね」
「えっ、そうですか?」
「うん。暗部って感情死んでますみたいな人多いし、まぁオレも人のこと言えたくちじゃないんだけど…。
は表情がコロコロ変わるから。面白いなぁって。」
「わ、私ってそんなに顔に出てるんですか…昨日も私の顔だけで考えていた事一瞬でバレましたよね?」
「うん、出てる出てる。それには一緒に戦ってて思ったけど他の奴らと違って自分の利益とかは度外視なところとか、結構珍しいなぁってさ。」
「えっ?」
「オレ、こんななりしてるけど、まぁ班のリーダーとかやる事多くてさ。いろんな奴と一緒に仕事をするんだけど
そうするとオレに対して自分のアピールに必死な奴らとか、自分の命だけ守ろうとする奴とか結構いるんだよ。まぁそれくらい割り切らないと暗部の仕事が辛いっていうのもあるのかもしれないけどさ。」
「そうなんですね…」
「でも、からはそういうの感じるどころか、謙虚すぎるくらいだし。」
「そ、そんな。私は本当にまだまだですし…。それに私は自己中心な人間ですよ。人の役に立つ実感が欲しいから、ここにいるんです。」
そういうとはまたさっきの切なそうな表情にもどった
「カカシさんは、聞いていたのと違って優しいです。もっとストイックで感情が読めない方だと思っていたんですが…すごく優しく笑うので。びっくりしました」
「えっ?初めて言われたよ」
「本当ですか?今日私の術を褒めてくださって、単純な人間で少し恥ずかしいんですが本当に嬉しかったです。私の忍術は怖がられたり、気持ち悪がられることの方が多いので…」
「オレはの蝶、すごく綺麗だと思ったんだけどね」
「わ、ほ、本当ですか…あの子たちも喜ぶと思います……あっ、あっつ!!!」
わかりやすく照れてお茶を一気に飲もうとしたは見事にむせていた
(やっぱりこの人、可愛い人だな)
彼女の裏の顔はまだわからないが、それを知って助けてあげたいと既にこの時思っていた事をオレはまだ気づいていなかった