第1章 はじまり
カカシside
今日一緒に任務を行うことになった。
初対面の時から謙虚でいい人なのだろうというのが伝わってきた。
無事ターゲットを生け捕りにした後、淡い蝶を見ながら少し複雑な顔をする彼女からオレはしばらく目を離せずにいた
(どうして任務が成功したのに彼女はこんなに悲しそうな顔をするのだろう)
悲しい…なのだろうか。
どこか切ないその表情とその周りに飛ぶ蝶が美しいと感じる共に
どこかその雰囲気がオレと似ている感じがした
里に戻り無事捕獲したターゲットを差し出すとお疲れ様の声と同時に各々が自分の家へ歩をすすめた
すでに朝を迎えた木の葉の里で朝日に照らされた彼女の後ろ姿を見て咄嗟にオレは彼女の肩を掴む
「えっ?」
彼女が振り返るとすでに面を外した彼女の瞳と目が合う
日に照らされた彼女の瞳はあの飛び交う蝶と似た赤茶色で、透き通っていてとても綺麗だった
ドクンと心臓が跳ねる
「あ、いや、その…ごめんね、突然。今回の任務、ありがとうって伝えたくてさ」
「カカシさん、こちらこそ今回はありがとうございました。難しい任務だったのにカカシさんのおかげで無事怪我人も出ず…良かったです」
にこりと笑う彼女の笑顔はやはり切なさを帯びている
(どうして成功したのに、こんな表情をするのだろう)
そんな好奇心からだったと思う。
オレは頭で考えるよりも先によければ一緒に朝ごはんを食べないかと声をかけていた