第3章 二人の任務
カカシはそっと額当てを戻し、まるで怒りをぶつけるように思いっきり男を投げつけた
投げつけられた男はかなり遠いところまで飛ばされ、着地した地面は軽く抉られる。そこからでもどれだけの力で投げつけたかがわかった
「か、カカシ……
「っ!!何をされた?薬とか塗られてないか?どこまでやられた?本当にごめん、オレが早く着いてたら…」
カカシはすぐに私の方に駆けつけるとさっきの表情はどこにもなく、ただ不安そうにしながらへたり込んでいた私を抱きしめる
カカシの香りがすると途端に安心して更に泣きそうになってしまう
「か、カカシ…あ、ありがとう…怖かった…怖かったの……私、満更でもないなんて違う…気持ち悪くて怖くて動けなくなっちゃ…
「そんなのわかってる、落ち着いて。もうオレいるから、大丈夫だから。」
カカシの背中に腕をまわして抱きつく
「触られただけ、何か塗られてたりでもしたら勝手に毒に飢えている蝶が飛んできていたはず…あの時すぐに忍術を使えたら良かったのに、私…咄嗟に動けなかった……忍失格だよね…」
「突然外で痴漢なんかされたら誰だって怖い。本当にごめんな…」
カカシの手は少し震えていた
「…カカシ……?」
「を見つけたら半泣きであんなことされてて、オレどうにかなりそうだった。
連れ去られる前で本当に良かった…。怖かったよな、ごめんな…」
「謝らないで、カカシは何も悪くないどころか、助けてくれたんだよ」
抱きしめながらカカシの頭をそっと撫でる
「なんでオレが慰められてるの」
「…手が震えてたから。
ごめんね、心配かけて…。警戒心持たないとダメだね…私みたいな女に声をかけてくる人なんていないと思ってたの」
そういうとカカシは抱きついていた体を離し私の顔を両手で包む