第3章 二人の任務
これからお出かけなの、待ち合わせをしているの
そう伝えたいのに突然の出来事に声が出ない
初めて痴漢のような事をされた私は恥ずかしさと怖さで動けなくなっていた
「…緊張してる?それとも外でこういうのされるの、興奮してる?」
気持ち悪すぎる言葉の数々を耳元で言われているのに足がガクガクして全く抵抗ができない
「足、震えてるよ。やっぱり気持ちいいんだ?」
「、ち…ちがっ…」
スカートの下の手は気付けば下着まできており、指を下着に入れようとしていた
「…ほんと……やっ…やめて…」
気持ち悪い、気持ち悪いよ…
(カカシ…早くきて…お願い……)
怖くて瞳に涙が溜まる
目を瞑ってひたすら耐えていると痴漢をしていた人が叫んだ
「ぎゃっ…!!!!」
「…えっ?」
目を開けると怒りに満ちた形相のカカシが痴漢の首を掴み持ち上げていた
「…殺されたいの?ジワジワ殺してやるよ」
「か、カカシ…っ」
安心して力が抜けへたり込む
首を絞められた男が掠れた声を出す
「ご、ごめんなさ…離して……」
「なぁ、やめてって言われてもお前は痴漢をし続けたんだろ?ならオレもお前を離す理由はないと思うんだけど、違う?彼女に何をした?」
「少し触っただけだっ…彼女だって…満更でもなさそうだっ…グァァァッ!!!」
カカシが持ち上げた痴漢は首が潰されるほど強く握られ、電気のばちばちした音が響く
「か、カカシ、もう大丈夫、大丈夫だから…殺しちゃダメ…」
「……」
怒ったままのカカシは一度ため息をつく
「このまま殺すつもりだったけど、よかったね?…でも、生憎オレはそこの彼女ほど優しくないんでね。
そのまま生かすつもりもないんだよ」
カカシは開いた方の手で額当てを上げると写輪眼で男の目を見る
…幻術だ。
内容によっては正直なところ、死ぬより地獄…言葉の通り生き地獄になるだろう。
誰かに拾われてそれを解除できるまで彼はずっと苦しみ続けるのだ