第2章 生きる為に背負う者
「………」
オレはまたの方へ向かい歩く
「あ、いや、ダメ来ないで…だめ…嫌われたくないの…」
「ならないから。そんなので嫌いになるわけないから。」
ストンとの隣を座り背中をさする
「…ありがとう。のおかげで助かった。テンゾウの方もそろそろ片付く頃だろう。任務成功だよ」
返事はない。
ふとやられた敵の方を見る
すでにそいつに飽きたかのようにびっしり張り付いていた赤い蝶は桃色に変化し、浮遊している
敵の顔は…皮膚が紫色に変色し、一部がただれているところもあった
(まぁ確かに、これは見られたくないと思ってしまうかもしれないな)
「見ないでって言ったのに」
「ごめんね。が心配だった。……でも、やっぱり綺麗だよ。この蝶たちも、も。」
「えっ?私も?」
「…うん。こいつを無事やった時のの顔はすごく辛そうだったけど、
その横顔でさえオレは目を離せなかった
わかるんだよ。
どうしてオレが、自分の生きる理由さえちゃんとわかってないようなオレだけが生き残って
誰かを手にかけながら生きていかなきゃいけないのかとか、そう思いつつ、ふとしたときにオレは躊躇いもなく相手を殺める。
そんな自分を認識したとき怖いなってさ。そんなことをも考えてたんじゃないかなって」
さすっていた背中がびくりと揺れる
「…暗部に入った以上はこれが普通だ。は悪くないし、仲間を救うために正しい選択をしたんだよ。がいなかったら今オレは無事毒殺されちゃってて、あいつも野放し。」
「カカシさん…」
「カカシ。呼び捨てしてくれるんでしょ、敬語もなし。」
「…ふふっ…こんな時までそれ言うの?…うん。わかった。カカシ。」
「よく言えました」
背中を撫でていた手をの頭の上に移動し軽く撫でる