第2章 生きる為に背負う者
油断が生んだ大きなミスに後悔し、毒のまわりを少しでも遅らせる為になるべく動かないよう屈む
片手で巻物を開き助けを呼ぼうと思った時だった
目の前に真っ白な蝶がたくさん飛び交う
「な、何が起きて…」
「か、カカシさん…!!!」
「…?」
が不安そうな顔でかけてくるのが見えた
「お渡ししていた蝶が死んだので何かあったのかと思い…っ!!!ちょっと待ってください!!」
(そうか、あの蝶の状態では俺の状態がわかっていたのを失念していた…)
そう考えていると自分の背中にはたくさんの白い蝶が集まっていた
「今日は、緑じゃないのね」
「カカシさん、毒の攻撃を受けたんですね。
こんなに蝶が喜んで飛ぶのを私は久々に見ました。
この蝶たちは毒が大好きなんです……つまり、あなたに盛られたものは猛毒です。……お願い、今は喋らないで…」
の声は震えている
毒のせいか視界がぼやけておりの細かい表情は見えなかった
次々と白色の蝶が血のように真っ赤に染まると
だんだんと視界もクリアになってくる。
すると緑色の蝶が飛んできた。
「…あぁ、よかった……よかった…間に合いそう…、本当によかった…。これで傷を治す事ができます」
が安心した顔をしたのも束の間、鋭い目つきで反対方面を見る
視線の先を追うと先ほどオレを刺したそいつが状況を読めずにこちらを見ていた
「…カカシさんを刺したのってあの人ですか?」
「えっ、あぁ…」
「…わかりました。」
「ちょ、?あいつが持ってる毒は危ない!近づいて戦うのは…」
「目には目を、毒には毒を、です。
彼のおかげで沢山毒蝶が増えましたし、同じ毒で苦しんでもらいます。」
彼女の瞳は怒りで満ちていた
そういうと赤い蝶と共に素早い動きでがかける
が投げる手裏剣を避けながら物理攻撃をしているターゲットの後ろに赤い蝶の壁ができた
敵がその存在に気づき振り返ったときには赤い蝶は敵を包むように囲い、全身に張り付く
どさりと倒れる敵の周りをたくさんの蝶が飛び交う
一瞬の出来事だった