第1章 はじまり
「ご注文何になさいますか?」
「「秋刀魚の塩焼き定食で」」
迷うより先に注文をとりに来た店員さんに対して2人で同時に同じ注文をする
「お飲み物は?」
「オレはお水で。は白湯?」
「いえ、私は温かいお茶で。」
注文をし終わり店員さんが厨房に戻るのを見届けると私はカカシさんの方に向き直った
「ちょっと!白湯って、もう!」
「ごめんごめん。それよりさっきの…」
「ふふっ、秋刀魚の塩焼き定食…私もびっくりしちゃいました」
「あんなに被ることあるんだね。」
「はい。……ふふっ、やっぱりカカシさん、優しいしお話ししやすいです。」
「ん?どうして急に?」
「あっ、すみません。今回の任務の前テンゾウにたまたま会ったんです。それでカカシさんと初任務ができたよって話をして。
優しい方だったとお話ししたら少しびっくりされまして。でも、やっぱりカカシさんはすごく話しやすいですし、一緒にいてなんだか安心します」
そんな事を言うとカカシさんはしばらく私を見て黙っていた。
振り返ると突然距離を詰めすぎているのではないかと言う発言をしてしまったことに気づき焦る
「わ、私知り合って少ししか経ってないのに、何言ってるんでしょう。なんだか馴れ馴れしくてすみません!気にしないでくださいっ!」
「あっ、いや、オレこそ黙っちゃってごめん。…オレもおんなじ事思ってたからさ、ちょっとびっくりして」
「えっ?」
カカシさんは耳までほんのり赤くなりながら頭をポリポリとかく仕草をする
「は天然で喜怒哀楽がわかりやすくて、見てるだけで飽きなくてさ。それなのに時々すごく辛そうな顔をするんだよ。オレはどうしてそんな顔をするのかわからないけど
それを初めて見た時から何だか親近感が湧いたというか……」
「そんな顔してました…?すみません、心配かけてしまって」
「いいのいいの。でも辛いことがあったらいつでもオレを頼ってよ。これからはオレ達一緒に仕事することが増えるわけだしさ。
正直といるとすごく落ち着くというか。オレがオレらしく過ごせる時間ができるんだ」
ーーーカカシさんが、カカシさんらしく…?
少し考えていると秋刀魚の塩焼き定食が運ばれてきてその会話は途中で止まった