第1章 本編
後日、僕は咲希さんと、一緒にデートに行くことになった。
約束をしてしまったからには、果たさなければならない
という、妙な信条と心情が、芽生えてくるのだった。
待ち合わせ場所にて…
「あっ、咲希さん!」
「唯くん!お待たせ!待ってた?」
「そんなに、待ってませんよ」
「そっか、じゃあ、デートにしゅっぱーつ!
おーっ!」
「おっ、おー…」
と、掛け声を、あげて?
僕たち二人は、デートをするのだった。
二人は、タピオカショップに、やってきた
「あっ、タピオカ売っているよ!
買おうよ!」
「う、うん…そんなに、お金持っていないけど」
「どれくらい、持っているの?」
「お姉ちゃんから、2000円貰ったから、
デート代として、使えって、言われているし」
「そっかー唯くんも、姉妹とかいるの?」
「うん、姉が四人と、妹が一人いるんだ」
「姉弟、結構いるんだね」
「うん、うるさいだけだけどね…」
「そんなことないと、思うけどな…
あっ、アタシはね、お兄ちゃんがいるんだ!
もう、大好きだよ!」
「そ、そうなんだね…」
「じゃあ、タピオカミルクでも、買う?」
「うん、そうしよう、
じゃあ、僕は、一番安い、黒糖ミルクティーにするね」
「じゃあ、アタシは、トロピカルティーで!」
二人で、タピオカを飲むのだった…
ブームは、過ぎているけど、これも、やりたいことなら、
それで、いいと思っている。
「じゃあさ、手!つなごう!」
「えっ?」
「ほら!恋人と言ったら、手をつないで、
一緒に歩くんでしょう?やろうよ!」
「う、うん」
僕は照れた表情をして、咲希さんと、手をつないだ…
あっ…何だろう?この温もりは、とても、温かいし、
柔らかい感覚が、伝わるのだった…
心臓のドキドキと、バクバクが、止まらなかった。
「どうしたの?唯くん?」
「大丈夫かなって、思っちゃって…
咲希さんの、体調とか…」
「大丈夫だよ、病み上がりだから、少し心配だけどね…
心配してくれて、ありがとう!唯くん!」
「そうですね、何て言うか…
初めてのデートだから、つい、緊張しちゃって…」
「でも、唯くん、
表情、変えてないじゃん!笑ってみてよ!」
「はい…」
僕は笑った、照れ笑いとはいえ、少しだけ、笑ってみた。
「素敵な笑顔だよ!」
「ありがとう…」