第1章 祭りの夜
「。おいで」
「………………」
甘い期待がよぎって、夫の胸に顔を埋める。
「杏壱さん、嘘ですよね…?そんなこと…しなくてもいいよって、言ってください…っ」
杏壱さんは何も答えないまま、ただ強く私を抱き締めた。
「よしよし、こんなに泣いて可哀想に」
優しく頭を撫でられる。
───許してくれたのだろうか………
「喉が渇いただろう?口を空けて」
淡い期待に顔を上げると、口移しでお酒を飲まされた。飲み込むと異様な感覚に包まれる。
「っ……な、に………」
「ただの祭り用のお酒だから大丈夫だよ。変なのは最初だけで、だんだんと気持ちよくなってくるからね」
お祭り用のお酒……?
なにかおかしなものが入っているとしか思えない。
喉から全身に熱が広がって、お腹の奥まで熱くなる。
「は純粋で、いつまでも清らかな少女ようだね」
杏壱さんが立ち上がる気配がしたかと思えば、あっという間に浴衣を脱がされてしまう。
「時折、壊してしまいたくなるよ」
私を無理矢理膝立ちにさせると、後ろから縄がかかる。胸を突き出すように、縄がギュッと身体の輪郭を覆った。
「あぁ……!」
お酒に酔った杏壱さんが時々、遊び半分でこういうことをすることはあった。
けれど今夜は今までとは雰囲気が違う。
「っ……きょう、いち…さっ……んん!」
肌を締め付けられて、背中に回った縄が下腹部の敏感な場所まで締め上げた。